ひげ餅舗
立矢通り振興会
4代目の木下昭彦さんと奥さまの順子さん
ひげ餅舗は明治28年(1895年)創業。
初代は旧清水町(現在の福井市の南西部)で機屋を営んでいましたが商売が斜陽していく中で、以前から地域の寺社に奉納するお餅をついていたことから
「そうだ!整備される福井駅近くでお餅屋を始めよう!」
と一念発起。
創業は福井駅近くの三ノ丸でした。程なくこれまた整備されたばかりの足羽山のふもとである現在の場所に移転し今に至ります。
ところで店名の『ひげ餅舗』何故〝ひげ〟なのか気になりますよね。
初代が豊かなひげを生やしていて「ひげのおっちゃんの餅」と言われるようになり『ひげ餅舗』になったとのこと。
残念ながら初代の写真はありませんが、きっと、
こんな感じであったと思います。
(4代目、すみません!)
なかなか貫禄がありますね。
取材に伺ったのは秋分の日の前日の正午過ぎ。
え⁈
うそー!
嘘だと言って欲しい。。。
本当に売り切れでした。泣。。
1つだけ!
くるみ大福餅がありました!
もちろんゲット!
くるみ大福餅はひげ餅舗では20年以上前から作っています。
元祖!なのです!
羽二重餅ではない、餅米を蒸したお餅に胡桃がたっぷり入ったぷにぷにの柔らかいお餅。優しくつまんでも指でお餅がへこんでしまいます。割ってみると中にはこれまた柔らかく優しいあんこが。
逸品です☆
口に運ぶと思わず笑顔になります。あぁ幸せ。
くるみ大福餅や白丸餅・えんどう大福餅・草大福餅・お赤飯などは通年作っていますが、さくら餅やかしわ餅をはじめ、季節ごとのお楽しみもあります。
たとえば、夏は水まんじゅう、秋は栗赤飯。
あべかわ餅は6月から9月のお彼岸くらいまで。
餅はもちろん(※ ダジャレではありません!)美味。注目していただきたいのは黒蜜。
こちらは沖縄の波照間島の黒糖。
この黒糖で黒蜜を作っています。
本場ならではの黒糖の味の奥行き、絶妙な苦味と甘味が順番に繰り返しやってきます。
あべかわ餅は別名、食べて暑い夏を乗り切る〝土用餅〟と呼ばれています。
今年は販売終了。
来年の6月に、みなさま是非お召し上がりください。
こちらは、
一升餅(通年予約注文)。
1歳のお誕生日を祝い、重さ一升(約1.8kg)のお餅をその子どもに背負わせ、これからの健やかな成長を願う伝統行事に欠かせない一升餅です。
一升の丸餅 → 一生円満に暮らせますように。
先人たちの想いが現代にも受け継がれています。
さて、完売に涙した翌日、秋分の日。
オープンは9時ですが、早朝にお店に行きました!
すでにのぼり旗が!
「おはようございまーす!」
店内は蒸した餅米の優しい香りが広がっています。
お忙しいのに、お店の奥に入れてくださいました。
この日ばかりは近所に住む娘さんも早朝からお手伝いに。
順子さんも大忙し。
午前3時から作り始め、午前7時にはお客さんからおはぎの予約の電話がひっきりなし。オープン前でもおはぎを買い求めるお客さんが立て続けにやってきます。
今日は約600個のおはぎを作ります。
ひとつひとつ、手で包みます。
1個を包むのにかかる時間は約8秒。
早技でありながらも丁寧な様子を拝見していると、おはぎ1つ1つに愛おしさを感じます。
出来上がったばかりのおはぎ。
秋分の日は圧倒的にあんこのおはぎが人気。
きな粉のおはぎ。
大福餅は3種類。
堂々と並びます。
私も念願のおはぎをゲット!
添加物など一切使っていない、素材全てにこだわりを持ったひげ餅舗のおはぎは、身体に優しく、ひとくちいただくと優しい気持ちになります。
ひげ餅舗の愛情たっぷりのお味、みなさまご賞味くださいませ。
ひげ餅舗 福井市足羽1-16-1
TEL 0776-36-3351
営業時間 9:00〜18:00
定休日 毎週水曜日・第2・4木曜日